エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)を用いた歯周病治療を導入しました。 Blog
レーザー治療
本院である川角歯科医院では歯周病の治療にエルビウムヤグレーザーを用いております。歯周病は、細菌が主な原因であり、炎症を引き起こして歯ぐきや歯を支える組織を破壊する病気です。エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)はこの細菌に対して反応し革新的な治療を提供する事ができます。レーザーによる期待される効果として、①汚染根面のプラークや歯石の除去、殺菌②リポポリサッカライド(LPS)などの細菌由来の内毒素、代謝産物、スメア層の除去③歯周ポケット内壁の炎症性組織の除去④歯周組織の賦活化による治癒促進⑤術後疼痛緩和があります。
エルビウムヤグレーザーを用いた歯周炎治療の特徴
① 歯周病原細菌の殺菌効果
レーザーの照射1パルス(1回の照射)でコロニー中の細菌の生存率は約17%となり、約83%の細菌を死滅させる効果を発揮します。エルビウムヤグレーザーは細菌中の水分子に入り込み水分子が気化し蒸散する事で細菌を死滅させる事が出来ます。
② 根面の除菌効果
超音波スケーラーを用いた従来のスケーリングとレーザーを用いたスケーリングの場合では治療効率は同程度ですが、それ以上に総コロニー数(細菌の塊)はエルビウムヤグレーザーを用いた方が優位に減少したと報告があります。超音波スケーラーではチップの先端が接触している部分しか作用しない為バイオフィルムの取り残しが認められますが、エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)では直接触れていないバイオフィルムでも、拡散光により細菌が蒸散し死滅する為、バイオフィルムの取り残しが少なく、総合的に優れた殺菌効果を示すのではないかと考えられています。
③ LLLT(Low reactive level laser therapy)効果
レーザーの出力エネルギーは照射部位から離れると減弱する為、少し離れた部位に微量のエネルギーが浸透し組織が活性化されます。その効果を用いたのがLLLTで、抗炎症、創傷治癒促進、組織再生促進、疼痛緩和の効果が期待できます。
レーザー治療を使った処置
フルマウスディスインフェクション(FMD)
フルマウスディスインフェクション(FMD)は、1日でのスケーリング・ディブライドメント(歯根面の清掃)、抗菌薬による抗菌療法、そしてレーザー照射による殺菌療法の3つをかけ合わせた歯周病治療の一環として行われる治療法です。FMDは歯周病の原因となる細菌を口腔内全体から一気に除去することを目的としています。
従来の保険治療で行う歯周病治療では、複数回に分けて歯のクリーニングや歯肉縁上歯石の除去(スケーリング)や歯肉縁下歯石の除去(ディブライドメント)を行うのが一般的ですが、一度清掃した根面に再び細菌感染して歯周病が再発してしまうリスクがありました。FMDでは短期間、通常1日で歯周病に感染した全ての歯を一度に徹底的に清掃していきます。それにより口腔内の歯周病菌を1度リセット出来るメリットがあります。また抗菌薬を併用することにより歯周病菌叢を変化させ歯周病が再発しにくい環境を作れます。
歯周組織再生療法
歯周病が進行し骨が破壊された部位に対して、骨を再生させる方法を再生療法と言います。
再生療法の際、レーザーを併用する事で器具の到達が困難だった部位への殺菌、消毒、清掃が出来るようになりました。
予防的なメンテナンス(定期検診)
当医院では歯周病の再発防止のため定期的なメンテナンス(定期検診)を行っていますが、それでも歯周病が再発、進行してしまう可能性があります。その進行した歯周ポケットにレーザーを応用する事ができます。
注意点
レーザー治療は自費治療になります。